次のことを知りたい方は、この本を手に取ると、答えがつかめます。
- 日本にはどれくらいの億り人がいるの?
- FIRE(経済的自立・早期リタイア)を達成した人の思考や行動を知りたい
- 特に、日本人でFIREを達成した人の共通点を知りたい
この記事では、本書を読んで多くのお金の本に共通する、資産形成をするに当たって、特に知っておいた方が良いと思ったことを紹介します。

ワンチャン私にも億り人になるチャンスはあるのでしょうか?
平凡な私にもFIREは可能でしょうか?
この記事を読んで、もっと詳しく知りたいと思った方は、本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。
世帯主100人の内、2から3人は1億円以上?

野村総合研究所が2019年に、預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた「純金融資産保有額」を調査しました。
リンクはこちらです。
野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)
それによると、純金融資産保有額が1億円以上の世帯は、133万世帯とのことです。
全世帯を足し上げると、約5402万世帯になります。
そのため全世帯の内、純金融資産保有額が1億円以上の世帯は、約2.4%ということになります。
つまり、世帯主100人の内、2から3人は1億円以上ということです。
「意外と多いな」、と思われた方は多いのではないでしょうか?
それだけいるなら、自分にも可能性があるのかも、とも。
もしくは、1億とはいかずとも、数千万円の資産形成ならいけるのではないか。
自分がそうなりたいと思ったときは、その人の思考や行動を真似ることは有効な手段の1つです。
億り人となった彼らの多くは、どんな思考や行動をしているのか。その秘密を覗きにいきましょう。

お金持ちの行動を真似ることで、自分もお金持ちに近づける!
普通に働いているだけでは億り人になれない?

普通に働く、というのは例えばサラリーマンとして働くということです。
このサラリーマンが給料だけで億り人になるのは、基本的にはかなり難しいです。
本書に準拠して計算してみます。
まず、収入です。
大卒で正規社員の男性の場合、生涯賃金は平均で約2億7千万円です。
生涯賃金についてのリンクはこちらです(楽天のお金の総合案内に飛びます)。
生涯年収の平均額。性別、学歴別の差や、手取りにした場合の実質額はいくらに? – (rakuten.co.jp)
あくまで平均なので、これより多い人も少ない人も当然いらっしゃると思いますが、これを目安にします。
一方、支出です。
家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)の「二人以上の世帯のうち勤労者世帯の家計収支」によると、
- 食費や住居費などの消費支出の平均が、1か月あたり305,811円
- 税や社会保険料などの非消費支出の平均が、 1か月あたり 110,896円
合計すると、支出の合計は、1か月あたり約42万円。1年あたり約504万円。
乱暴な仮定かもしれませんが、
22歳で就職して60歳まで39年間、この支出を続けた場合、約1億9700万円になります。
家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)の「二人以上の世帯のうち勤労者世帯の家計収支」のリンクはこちらです。
家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)Ⅰ家計収支の概況(二人以上の世帯) (stat.go.jp)
生涯賃金との差額は、 2億7千万円 – 1億9700万円 =7,300万円となります。
そのため、日常生活費以外をすべて貯蓄に回しても1億には届きません。
したがって、働いて得た収入から出ていく支出を最適化して、そのお金を投資に回すことが億り人になるためには必須、というのが本書の主張です。
もちろん、世帯の人数、所得がどれくらいか、共働きかどうか、子供の有無、支出の多い少ない等、その世帯の状況で、各金額は大きく変わり、生涯賃金との差額も変わりますね。
また、世帯の状況がその年によって変わることから、支出が毎年一定というのは、ほぼ無いでしょう。
ただ、平均的な収入で平均的な支出の場合、1億を貯めるのは難しいという認識は必要です。

多数派(平均)の行動では、1億は遠い。
お金持ちは少数派だから、少数派の行動が必要です。
入金力の残酷な現実

投資信託で資産形成しようと思った場合、大切なことの1つは投入する金額の多寡(入金力)です。
本書によると
仮に毎月1万円ずつ積立で投資をし、年利3%で運用した場合、1億円に達成するのは128年後。
毎月5万円ずつで68年後。
毎月10万円ずつで46年後。
かなり気の長い話です。
支出を最適化して、投資に回すお金を増やすことが大切なことが実感できます。
1つ認識した方がよいことは、誰しも1億円貯める必要はない、ということです(そもそも貯金なんて必要ない、という方もいるかもしれません)。
その人の価値観によりますが、特に生活費が平均より少ない場合、目標資産は1億円より少ない額でも良い場合もあります。
例えば、最低限必要な生活費を、投資による利益で賄うことができれば、かなり安心できると思います。

どんな状態が幸せかは一人一人違います。
他人と比べる必要はありません。
もちろん、投資はリスク資産であるため、安定した利益が得られるわけではなく、時には暴落により損出が出ることもあるので、そこは注意が必要です。
それを踏まえた上で、例えば、投資家ぽんちよさんのYouTubeを参考に自分はいくらあれば安心か、考えてみましょう。
投資信託を始めると、よく聞く「4%ルール」や必要な資産額、何年後に達成できそうかのシミュレーションについて、分かりやすく解説してくれています。
支出を最適化せよ

1億円目指すにしても、そうでないにしても、投資に回すお金は多い方が良いことに違いはありません。
とはいえ、欲しいものや趣味を我慢してケチケチするのはできそうにない。
だとすれば、実際の億り人が共通してやっていることを真似してみましょう。
それが、「支出の管理」、別の言い方をすれば「支出の最適化」です。
特にサラリーマンの場合は、収入が急に増えることは、あまりないので、支出を最適化することがメインとなります。
支出の最適化とは、「本気でFIREをめざす人のための資産形成入門 30歳でセミリタイアした私の高配当・増配株投資法」の穂高唯希さんが使っている言葉です。
支出の最適化とは、「自分にとって最も価値のあることは何か」を考えて、その優先順位にしたがって、支出を決められた金額の中でするということです。
これであれば、生活の満足度を出来るだけ落とさずに支出を低く抑えるということになります。

面倒でも固定費を一度見直せば、その効果は一生続きます。
例えば、日本人が大好きな「保険」もその1つです。
必要のない保険に毎月5万円も支払っていませんか。
自動車保険や火災保険など、必要な保険もあります。
しかし、億り人の多くが、生命保険や医療保険には入っていません。
生命保険に入るとしても、専業主婦や子供がいる場合で、安い保険料の掛け捨てタイプとのことです。
国民年金から遺族年金が支給されることを考え、それで必要な期間、金額を賄えれば十分ということです。
営業マンに勧められるまま何となく保険に加入していては、お金は貯まりません。
保険は、自分の頭で考えて、生活が破綻するのを防ぐ目的で加入しましょう。

起きる確率は小さいけど、起きると生活が破綻するものに備えるのが、保険の基本です。
保険以外に、クレジットカードのローンやリボ払いで払う金利、利用していないスポーツクラブやサブスクの会費、スマホのオプション代金等々。
面倒でそのままになっていませんか。
こういったものは、解約しても生活の満足度は下がりません。
こういった無駄をなくすことで捻出した2万円を投資に回せば、ぽんちよさんの動画で確認した、30年後の1千万に繋がります。
何が起きても投資信託は鬼ホールド!

投資に関する不朽の名著「敗者のゲーム」(チャールズ・エリス著)という本から、見逃せない事実が引用されていました。
「敗者のゲーム」の中で、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500の1982年から2000年までの18年間にわたる値動きを詳細に調べた結果が書かれていました。
その結果とは、18年間(=6570日間)の内、最も株価が上がった上位30日間だけで、上昇幅の4割近くを占めているとのことです。
つまり、もし仮にその30日間だけ S&P500に投資する投資信託を持っていたら、大幅な利益を上げることができます。
一方、もしその30日間、投資信託を持っていなかったら本来得られるはずの収益の4割を失うことになります。
この30日間は、事前にいつやって来るかは分かりません。それにこの30日間は連続しているわけではありません。
したがって、この30日間を逃さないためには、投資信託を持ち続けることが大切です。

未来は常に誰にも分からないのですね。
15年以上の積立投資は、暴落しても鬼ホールドなので相場を読まない投資方法ともいえます。
投資信託で最もやってはいけないことは、暴落したときに売ってしまうことです。
売ってしまうと、「こんな痛い目に合うなら、もう投資はやらない」となってしまい、もう一度投資信託を買いづらくなります。
さらに、その後株価が回復する局面での利益を取り逃がすことになります。
購入したら、とにかく持ち続けることが大事です。
ただし、投資信託の中には、各手数料が高いぼったくりも多数あるので、そこは注意が必要です。
まとめ
記事の内容をまとめます。
- 野村総合研究所の調査によると、 世帯主100人の内、2から3人は1億円以上。
- 日本の平均的な収入で平均的な支出の場合、1億を貯めるのは難しいという認識は必要。
- 支出を最適化して、投資に回すお金を増やすことが大切。
- 支出の最適化とは、「自分にとって最も価値のあることは何か」を考えて、その優先順位にしたがって、支出を決められた金額の中でするということです。
- 投資信託で最もやってはいけないことは、暴落したときに売ってしまうこと。
億り人の思考や行動には、「約束を必ず守る」、「決断が速い」、「部屋や机の上がきれい」、「非地位財に重きを置く」、「寄付を好む」等、この記事では紹介しきれていませんが、私達が参考にできることが、本書には書かれています。
気になった方は、本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。
ただ、本書では、どの投資信託を購入すれば良いかは、自分の頭で考えよ、というスタンスです。
それは、ごもっともなのですが。
「投資といっても、具体的にどうしたらいいのか、初心者だし、よく分からないよ!」という場合が、多いと思います。
自分の頭で考えるのは大事ですが、何でもかんでも自分で、となるとリスク資産である投資信託を購入するのは、ハードルが高いと思います。

なぜこの投資信託を買ったのか、自分の中で納得していないと、暴落相場で鬼ホールドするのはキツイです。そうでなくてもキツイのですから。
その場合、こちらの記事をご参照ください。
「ジェイソン流お金の増やし方」の紹介記事です。
今、日本で読める本の中で、これより優しい投資の本はないかもしれません。
厚切りジェイソンさんの語り口だから、気軽に読めるし、証券口座の開設の仕方から買い方まで丁寧に書かれているので、本を見ながらジェイソンさんのお勧めの投資信託を購入できてしまいます。
まずは、ここからスタートして、違うと思ったときは、方針転換しても遅くはないと思います。
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