お金を増やすのはむずかしいことじゃない
本書から
以下にあてはまる、投資初心者の方、とりあえず投資を始めたけど今のままでよいか不安な方は、本書を手に取ることで、解決の糸口を見つけることができます。
- 投資に興味はあるけれど、どうしたらよいか分からない
- 大損しそうで怖くて手が出せない
- 投資を始めてみたけど、その後どうする?
この本の著者は、IT企業役員を務め、芸人でもある厚切りジェイソンさんです。
本書は、ジェイソンさんの語り口で書かれているので、気軽に楽しく読むことができます。
この記事では、本書を読んで、特に初心者が心掛ける必要があると思ったことを紹介します。
興味を持たれた方は、本を手に取ってみてくださいね。

やれば誰でも同じ結果が出やすい、再現性の高い方法です。
まず支出を減らせ!

投資を始めるときは、生活費の3か月分の現金を確保し、それ以上のお金は全部投資に回します。
これによって、株が暴落した影響で、職を失っても3か月間は、投資したお金を崩さずに済みます。

「3か月じゃ不安!」という方は、6か月など、自分がストレスを感じない期間に変えましょう。
後から短くすることはできます。
収入がある間は、「収入ー支出」を最大化すれば、投資に回すお金が増えて資産が早く増えます。
そのため、支出を減らすことが重要です。
本書では、ジェイソン流12の節約術が紹介されていました。
自販機で買わない、服はもらい物など仙人並みの節約術もありましたが。
その中から、他のマネー本にも共通しており、誰にでもできる再現性の高いものを3つを紹介します。
「必要がないならコンビニに行かない」

仕事の帰り道や、移動の途中になんとなくコンビニに入って、欲しくもないものを買っていませんか。
ジェイソンさんいわく、「マジでムダ遣い」
コンビニの陳列棚は、私達が買いたくなるように計算し尽くされていて、誘惑に打ち勝つのは難しいです。
さらに、日本でスイスを感じられる場所、といわれるくらいに値段が高いところです。
必ず何か買い物をしてしまう上に値段が高いため、節約には向きません。
そのため、ムダ遣いをやめたい人は、まずコンビニには近づいてはいけません。

毎日歯を磨くことを習慣化できれば、コンビニに近づかないことも習慣化できるはず。
「ポイント倍増?買い!」はNG
クレジットカードを使った金額や、アプリをダウンロードしたお店の買い物の金額に応じて、それぞれ独自のポイントが貰えたりしますね。
いわゆる「ポイ活」です。
この貯めたポイントで、買い物の金額を割り引いてもらえたりします。
それは、良いのですが。
「本日ポイント2倍」や「本日5%割引デー」といった売り文句に誘惑されて、余計なものを買ってはいませんか。
それは、節約ではなく、無駄です。
もしくは、ポイントが貯まったからといって、余計なものを買うのに消費していませんか。
ポイントもお金と一緒なので、日常生活で必要なものを買うときに使いましょう。

ポイントは利息がつかないことが多いので、貯め込むのではなく、最前線で使っています。
家族がお金に対して同じ価値観を持つ

本書では、「節約をする上で一番大事なことかもしれない」と語られています。
夫婦の一方が節約をしていても、一方が浪費家だったら、資産は増えません。

家族の理解が得られない、というケースは意外と多いです。
他人は自分でコントロールできないためです。
資産を増やしたいと思ったら、家族間で価値観を合わせる必要があります。
「収入ー支出」を最大化して資産運用で資産を増やした結果、得られるものは何でしょうか。
たとえば、会社からの給料がなくなったり、個人事業からの収入がなくなったりしても、資産運用からの利益だけで暮らしていけるようになります。
これが、世間でいわれているFIRE(Financial Independence and Retire Early=経済的自立と早期リタイア)に達した状態です。早期リタイアするかどうかは別にして。
この経済的に自立したときに得られる安心感を得たいと、相手も思えるかが大事です。
資産を増やしたい人で、これからパートナーを選ぶ人は、価値観が同じ人が良いかもしれませんね。
投資信託を買ったら鬼ホールド!

本書の中では、「楽天・全米株式インデックスファンド(通称:楽天VTI)」という投資信託を買うことを勧めています。
下にこの投資信託のリンクを貼っておきます。
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 投資信託 | 楽天証券 (rakuten-sec.co.jp)
この投資信託は、アメリカの約3800以上の企業(アップル、マイクロソフト、Googleを運営するアルファベットなど)に分散投資ができます。
アメリカの市場に上場している99%以上をカバーしているため、アメリカ全体に分散投資をしているのと同じことになります。
アメリカの株式市場は、世界恐慌(1929年)、ブラックマンデー(1987年)、同時多発テロ(2001年)、ITバブル崩壊(2001年)、リーマンショック(2008年)と過去に何度か暴落がありました。
しかし、その度にアメリカ市場は復活して、長期的には右肩上がりの成長を続けてきました。

インデックス投資は平均利回り3%から7%が期待できると言われています。
しかし、これは15年から20年以上長期積み立てした結果の利回りです。
最も悲惨な世界恐慌では、株価が最高値と比較して89%も下落しました。この時は、元の株価に戻るまで25年かかりました。
リーマンショック(2008年) は、 世界恐慌に次ぐ51.3%の下落率になりましたが、約5年で復活しました。
最近だと、コロナショック(2020年)です。これも5か月後には元の株価水準に戻りました。
ジェイソンさんのコロナショック体験談によると、約15年続けて積み上げてきた利益がすべてなくなるくらいの下落だったそうです。
一切投資せず、現金で持っていた方が良かったのでは、と思うくらいに。
結局、想定以上に早く株価は復活して、今は当時以上にお金が増えたとのことです。
一度買ったら、暴落が起きても狼狽売りはせず、鬼ホールドですね。

人類はこれまで多くのテクノロジーを生み出し、成長し続けてきました。
これからも人類は成長し続けると信じて、あなたの資産を託すことができますか?
利益が出たら売却していいの?

結論としては、「お金が必要になったら、その分だけ切り崩す。頻繁には切り崩さない」です。
イソップ童話の「金の卵を産むガチョウ」の例えが分かりやすいです。
貧しい農夫が、ある日、ガチョウを拾いました。
そのガチョウは1日1個、金の卵を産むことにことに農夫は気付きました。
農夫は、その卵を売ることでお金持ちになっていきました。
でも、ある日、農夫は
「1日1個ではペースは遅い!もっと欲しい!」
と思うようになりました。
「ガチョウのお腹の中には、もっと卵があるはずだ」
農夫は、そう思い込んで、ガチョウのお腹を切ってしまいました。
その結果、ガチョウのお腹の中に金の卵はなかったし、肝心の卵を産み続けてくれたガチョウも死んでしまいました。
もう二度と農夫は、金の卵を手に入れることはできません。
購入した投資信託は、 「金の卵を産むガチョウ」と一緒です。
長期間保有し続ければ、金の卵をコツコツと生み出してくれて、私たちを少しずつ裕福にしてくれます。
童話と同じ結末にならないように、基本的に投資をした商品は鬼ホールドです。
売らないで済むためにも、3か月分の生活費を現金として確保しておきましょう。

金の卵を産む可愛いガチョウを育て続けましょう。
お金を増やすことは幸せを手に入れるための手段

お金を増やすことは、目的ではありません。
お金があるからこそ、家族の夢を応援したり、自分の興味のあることに挑戦できたりします。
生活のためにひたすら仕事をするのではなく、万が一仕事がなくなっても暮らせる安心感を得ることができます。
「お金は、自由に人生を謳歌するための切符かもしれない」、とジェイソンさんは本書で語っています。
この幸せの切符を手にする方法が本1冊の中に詰まっています。
本書の内容をギュッとまとめると、
「節約して、コツコツ入金して、待つ。」
誰にでもできる再現性の高い方法です。
あとは、行動に移すだけです。

やることは簡単そうです。しかも、誰でも同じような結果になる。
あなたは行動しますか?
まとめ
今回の記事の内容をまとめます。
・まず支出を減らせ!
投資を始めるときは、生活費の3か月分の現金を確保し、それ以上のお金は全部投資に回します。
「収入ー支出」を最大化すれば、投資に回すお金が増えて資産が早く増えます。
・投資信託を買ったら鬼ホールド!
アメリカ市場は過去に何度か暴落がありましたが、その度に復活して、長期的には右肩上がりの成長を続けてきました。
・お金を増やすことは目的ではなく、幸せを手に入れるための手段です。
本書は、投資を始めてやる初心者向けに分かりやすく、投資の始め方を解説した本です。
本書の中では、楽天証券で 「楽天・全米株式インデックスファンド(通称:楽天VTI)」 を買う具体的な手順も解説されています。

片方の手に本を、片方の手にスマホを持って、いざ口座開設!
また、最近流行の暗号資産(仮想通貨)や金などのコモディティ投資に対する考えも解説されています。
住宅ローンが良い借金とする部分などは、見解が分かれるところがありますが。
投資に少しでも興味がある方は、読んでおいて損はない1冊といえます。
リベラルアーツ大学の両学長とジェイソンさんの対談YouTubeも公開されています。

FIREの民どうしの対談!
基本的な価値観は一緒ですが、全く同じではない。
自分はどちらの価値観に近いか考えながら見ると、面白いかもしれません。
約35分の動画ですが、あっという間に終わったと感じるくらいに見入ってしまいました。
特に、ジェイソンさんは節約家のイメージが強く、「お金を何に使っているのかな?」と興味を持っていたのですが、ズバリ両学長がそれを聞いてくれていました。
それに対するジェイソンさんの答えは、以下のとおりで、私は深く共感しました。
- 今の生活に十分満足しているから、これ以上使う必要はない
- 将来自分がやりたいことが現れた時に、全部自分の資金だけでできる
使う必要がないから「勝手にお金が増えていっちゃう」とか、毎日が楽しくてしょうがないですね。
漫才のような掛け合いも笑えるので気軽に見てくださいね。
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