投資に興味はあるけど、「投資は投機やギャンブルと一緒じゃないの?」という疑問があります。
私も、投資を始める前は投資=投機=ギャンブルだと思っていました。
そこで、この記事では投資、投機、ギャンブルの違いについて紹介します。
その上で、普通の人の資産形成に向いているものはどれなのかと、気を付けるポイントを紹介します。
【結論】投資、投機、ギャンブルの違い
結論から言うと、投資、投機、ギャンブルの違いは次のようになります。
- 投資はプラスサムゲーム:参加者全員の損益の合計がプラスになるもの
- 投機はゼロサムゲーム:参加者全員の損益の合計が0になるもの
- ギャンブルはマイナスサムゲーム:参加者全員の損益の合計がマイナスになるもの
ニッセイ基礎研究所の記事に掲載されたこちらの表が分かりやすいので、引用します。

ゼロサムゲーム
じゃんけんで勝った方が負けた方から1万円を貰うとします。
この場合、1万円損する人と1万円得する人がいるので、参加者全員の損益の合計が0になります。
胴元がいないため、参加者全員の合計のお金は減っていません。

参加者からお金を集めて、単純に分配しなおしているだけですね
マイナスサムゲーム
例えば競馬では勝ち馬に賭ければ、払戻金を受け取ることが出来ます。
これは誰かの支払った馬券代の中から支払われます。
集められた馬券代は全額払戻金に充てられるのではなく、約30%は運営者(胴元)の取り分となります。
そのため、参加者全員で100万円分の馬券代を支払ったら、30万円は運営者のものになり、払戻金は70万円になります。
払戻金の合計70万円 ー 参加者全員の馬券代100万 = -30万円
そのため、競馬はマイナスサムゲームとなります。
1万円分の馬券を買ったら、3,000円はドブに捨てていることになります。

参加者からお金を集めて、運営者の取り分を抜いた後のお金を分配しなおしています
還元率とは?
賭けた金額のうち何%が手元に戻ってくるかの確率のことを還元率といいます。
この還元率が低いほど、胴元が儲かり、自分の手元に戻ってくるお金は少なくなることを意味します。
下の表にギャンブルの種類とその還元率を示します。

上の表を見ると宝くじに至っては、還元率が46%のため、1万円賭けたら5,400円を胴元が抜いていくことが分かります。
これをテラ銭といいます。
運営者が売上金から一定割合の金額を先に差し引き、残りの金額を勝った人で分配する方式のため、運営者の利益がマイナスになることはありません。

「宝くじは愚か者に課せられた税金」とは、的を射た言葉ですね。。
ゼロサムゲームやマイナスサムゲームで勝つには?
ゼロサムゲームやマイナスサムゲームでは、自分の利益は他の参加者の損失であり、他の参加者の利益は自分の損失です。
ゼロサムゲームやマイナスサムゲームで勝つには、戦略や運で他の参加者を出し抜く必要があります。
限られたパイの取り合いになるし、参加者は全員必死だし、百戦錬磨のプロはいるし、厳しい勝負になるのは明らかです。

まさにカイジの世界ですね
プラスサムゲーム
例えば、ある企業の株を買うとします。
その企業が株主から集めたお金で事業をして利益を出せたとします。
すると、株主の全員が企業の生み出した利益を配当金で受け取れたり、それが評価されて株価が上がったときに株を売却すれば売却益が受け取れたりします。

企業が成長して利益を出したことで、参加者(株主)全員の合計のお金が増えた!
株式は投資?ギャンブル?
これは短期間で利益を得ようとするか、それとも長期での成長から利益を得ようとするかの時間軸で分かれると考えられます。
- 短期売買の差額で利益を得ようとする:ギャンブルor投機
- 長期的な企業の成長から利益を得ようとする:投資
短期売買の場合
例えば、株を買って「明日少しでも株価が上がったら売ってしまおう」、というのが短期売買です。
自分が株を安く買えた=誰かが安く売ってしまった
自分が株を高く売れた=誰かが高く買ってしまった
自分の利益は誰かの損失であり、自分の損失は誰かの利益となる世界なので、相手を出し抜かないと勝てないゼロサムゲームの世界です。

相手は筋肉隆々の猛者ぞろいかもしれない
その中に普通の人が飛び込んだら一瞬で食べられてしまう。。
長期的な企業の成長から利益を得ようとする場合
例えば、10年後を見越して大きく成長が期待できる企業の株を買い、その成長に伴って配当金を得たり、株価上昇による売却益を得たりすることです。
投資した割合に応じて大きくなったパイの分がそのまま自分の利益となるため、誰かの分を奪う必要はありません。

投資した企業は儲かるし、株を買ったみんなもお金が増えるしで、みんなが幸せになれる可能性がある!
普通の人の資産形成に向いているのは投資!
誰かと戦って勝つ必要がないため、普通の人の資産形成に向いているのは投資と考えます。
ただし、株価が下がるなどで損失が発生することはあります。

「投資かギャンブルか」と「リスクが高いか低いか」は分けて考えることですね
投資した企業の破綻など個別銘柄投資のリスクは高いため、普通の人が効率的に資産形成をするためには、複数の銘柄、国や地域を分散することがとても大切となってきます。
広く分散された低コストの株式インデックスファンドの例として以下のようなファンドに長期投資するのが王道と考えます。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
なお、この2つのファンドについては、こちらの記事でより詳しく紹介しています。
投資家の株の保有年数
下の図は国・地域ごとに見た長期投資型ファンド(株式型、債券型、バランス型のファンドを集計)の平均保有年数の推移です。

2013年から 2020年にかけて平均保有年数は、赤線の日本では長期化していることが分かります。
2020年末では緑色線のドイツの平均保有年数は4.5年、赤色線の日本は3.9年、青色線のアメリカは3.4年、緑色の破線の欧州23カ国は2.6年であり、どの国でも5年未満でした。

長期投資を実際にやるのはみんな苦労しているみたい
暴落での狼狽売りや、少し株価が上がった時の利益確定など、理由・事情はあると思います。
しかし、どんな時でも淡々と続けることが資産形成での投資では大事になってくると考えます。
まとめ
「これは、投資、投機、ギャンブルのどれかな?」と迷ったら参加者全員の損益がどうなっているかを考えることです。
- 投資はプラスサムゲーム:参加者全員の損益の合計がプラスになるもの
- 投機はゼロサムゲーム:参加者全員の損益の合計が0になるもの
- ギャンブルはマイナスサムゲーム:参加者全員の損益の合計がマイナスになるもの
分かった上で投機やギャンブルに参加することもあるかもしれません。
絶対に避けるべきなのは、投資のつもりが投機やギャンブルになることです。
1度短期間で100万円が200万円になるような体験をすると、「もう一度」と思うかもしれません。
その結果、全財産を溶かすようなことは避けなければいけないことです。

普通の人の資産形成に向いているのは投資だけ!
かつ自分のリスク許容度を守って複数の銘柄、国や地域を分散することがとても大切!
最後まで読んでくださり、有難うございました!
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