ほったらかし投資術(著者/山崎元、水瀬ケンイチ)から学んだこと

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書評
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この記事で紹介する本書は、「全面改訂 第3版」になります。

今回の改定で、「初心者でも簡単に実践できる投資の公式本」の誕生です。

そもそも「ほったらかし投資」とは?

プロが考える最善の運用に大きく劣らず、なるべく簡単に実行できる、個人にとっての資産運用の具体的方法

にゃこばん
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誰がやっても、同じ結果が出る、再現性の高い方法!

「NISAに関心があるけど、何に投資をすればよいか分からない」、という初心者の方から、「とりあえず投資を始めてみたけど、その後の方向性を教えてほしい」、という経験者の方まで参考になる本です。

この記事では、本書をもとに、次の3つの悩みを解決します。

さらに、2024年から始まった新NISAではどうしたら良いか、本書をもとに私の考えを記載しました。

この記事で解決できること
  • 初心者におすすめの投資信託は?
  • 投資しないお金はどうする?
  • 暴落が起きたら、どうする?
  • (補足)2024年から始まる新NISAではどうする?
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初心者におすすめの投資信託は?

本書のインデックス・ファンドの最適解が、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(以降オルカンと記載します)です。

オルカンに投資して、文字通り「ほったらかし」にしておくことで運用が完結します。

後は、将来お金が必要になったときに、必要額を部分解約するまでそのまま持ち続けるのみです。

楽天証券のオルカンのリンクはこちらです。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 投資信託 | 楽天証券 (rakuten-sec.co.jp)

そもそもインデックス・ファンドとは?
  • インデックス=株価指数、ファンド=投資信託
  • インデックス・ファンドは、特定の株価指数に機械的に連動する投資信託のことです
  • 株価指数で有名なものは、日経平均株価(日本代表の225社)、S&P500(米国代表の500社)があります
  • ざっくりいうと、この株価に連動して、私達の投資したお金も、増えたり減ったりします
にゃこばん
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「以上!解散!」という雰囲気ですね。。

とはいえ、オルカンがどういうものなのか、なぜオルカンが良いのか、気になりますね。

オルカンの特徴

日本、先進国、新興国を含む全世界の株式市場に、これ1本で丸ごと投資できる商品です。

「夜空に広がる満天の星をすべて買う」とも例えられるとか。

全世界に投資といっても、すべての国に均等に投資するわけではありません。

米国のような株式市場の大きな国の割合は大きく、株式市場の小さな国の割合は小さく投資をします。

この割合は、世界中の投資家が株式市場で売買することで値付けされた株価によって決まります。

つまり、優良な企業には高い株価が付けられる一方で、ダメ企業は低い株価が付けられたり、上場廃止に追い込まれたりします。

にゃこばん
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オルカンを1本買えば、世界を代表する企業に投資できる、ということ!

ダメな企業は投資信託から消えるから、中身は常にピッカピカ

オルカンが最適解の理由

全世界株式型のインデックス・ファンドは他にも存在します。

その中でもなぜオルカンなのか?

理由を理解できれば、将来、新しい商品が出た時に、そのファンドが良いかどうか、買うべきかどうかを自分で評価できるようになります。

本書では3つのチェックポイントが紹介されています。

にゃこばん
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「カモナベin!」しないためにも、結論に至るまでの過程を知っておくのは大事です

チェックポイント① コスト(手数料)

本書で、コスト(手数料)は「リスクゼロで確実に発生するマイナスのリターン」と表現されています。

投資商品にかかるコスト(手数料)は、販売手数料、運用管理費用(信託報酬)、信託財産留保額の3つがあります。

簡単に解説すると、次のとおりです。

投資商品にかかるコスト(手数料)
  • 購入時手数料は、投資信託を購入するときにかかる手数料
  • 運用管理費用(信託報酬)は、投資信託を保有している間ずっと支払い続ける手数料
  • 信託財産留保額は、投資信託を売却するときにかかる手数料

この中で、購入時手数料と信託財産留保額はゼロのファンドが現在主流です。

そのため、チェックすべきは、運用管理費用(信託報酬)になります。

私達が投資をしている間、少しずつ運用管理費用(信託報酬)は差し引かれています。

にゃこばん
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コストは、運用成績を確実に押し下げるものなので、安いものこそが正義です

オルカンの運用管理費用(信託報酬)は、年率0.05775%で、超低コストです

にゃこばん
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仮に100万円運用していたら、年間で約578円くらいの手数料が発生するということです

チェックポイント② 純資産総額

純資産総額は、投資信託の規模です。

私達が、その投資信託に投資したお金も純資産総額の一部になります。

純資産総額が大きくて、規模が大きい程、たくさんのお金が集まっているといえます。

たくさんのお金が集まっていれば、その投資信託は、安定的な運用ができます。

にゃこばん
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簡単にいうと、みんなが大好きな人気商品ということ!

投資信託界のピカチュウみたいな(すみません)

逆に、純資産総額が少ないと、投資信託の運用が困難になり、繰上償還されてしまいます。

繰上償還になると、運用が停止され、投資家に資金が返されることになります。

繰上償還されると、もっと長期の運用をしたいと思っていても、その時点で投資家の損益が確定してしまうので、不本意な結果になるかもしれません。

純資産総額は100億円を突破していると、十分な規模といえます。

オルカンの純資産総額は、27,759億円(2024年2月時点)です。

本書の執筆時では、3993億円(2022年1月時点)だったそうです。

約2年で6倍以上に増えていて、この点は、かなり安心できますね。

チェックポイント③ インデックスとの乖離

インデックス・ファンドは、特定の株価指数に機械的に連動するように運用します。

しかし、運用管理費用(信託報酬)などの運用コストがかかるため、その分インデックス・ファンドの値動きはインデックスから相応に下方向に乖離するのが普通です。

これを、「インデックスとの乖離」といいます。

このインデックスとの乖離は、できるだけ小さい方が良いです。

インデックスとの乖離があると、私達が思ったようなリターンを得られないためです。

にゃこばん
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ざっくりいうと、インデックスは10%上昇した。

でも、ファンドが5%しか上昇しなかった、というのは、乖離が大きいです

オルカンの直近(2021年4月26日~22年4月25日)の騰落率は、インデックスの騰落率(+15.7%)を0.2%下回る程度であり、乖離は小さいです。

騰落率(とうらくりつ)とは?
  • 騰落率とは、ある期間の始めと終わりとで価格がどれだけ変化したかを表すものです
  • 例えば、現時点で100円の投資信託が1年後に105円になれば騰落率5%の上昇です
  • 現時点で100円の投資信託が1年後に90円になれば騰落率10%の下落となります
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投資しないお金はどうする?

リスク資産は「オルカン」で運用するとして、将来の使い道が決まっているなどで、手堅く運用するお金も持っておきたい、という心理は多くの人が持っています。

それに対する、本書の答えは、「1行1,000万円以内の普通預金」と「個人向け国債(変動金利型・10年満期)」です。

にゃこばん
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3か月後の旅行のお金など、用途が決まっているお金まで投資に回さないこと!

1行1,000万円以内の普通預金

銀行が経営破綻した場合に保護されるのが、預金者1人あたり1行につき元本1,000万円までとその利息だからです。

個人向け国債(変動金利型・10年満期)

個人向け国債(変動金利型・10年満期)の概要はこちらです。

個人向け国債(変動金利型・10年満期)とは?
  • 長期金利の66%の税引き後利息が半年に1度支払われる(最低金利は年率0.05%)
  • 10年目に元本が償還される
  • 発行から1年経過後、いつでも中途換金可能(過去2回分の税引き後利息は支払う)

財務省の個人向け国債(変動金利型・10年満期)のリンクはこちらです。

「変動10年」商品概要 : 財務省 (mof.go.jp)

推奨する理由は次の3つです。

破綻の可能性が低い

日本国政府が発行する国債なので、民間銀行より破綻する可能性が低いです。

国債暴落に強い

万が一、日本政府の借金が増えて、信用が低下し、低金利の借金が出来ない場合は、高金利で借金をすることになります。

金利の上昇は、国債価格の下落を意味します。

例えば、現在利回りがほぼゼロの10年国債の利回りが2%上昇すると、2割近い国債価格の下落が起こります。

これを「国債暴落」といいます。

国債暴落が起こった場合、「個人向け国債(変動金利型・10年満期)」の保有者は、元本を確保しつつ、上昇した長期金利の66%の利息を貰える状態になります。

最低利回り0.05%を保証

この利率は、多くのメガバンクの定期預金0.02%(2022年1月)より僅かに高いです。

ネット銀行では、これよりも高いところはあるので、「個人向け国債(変動金利型・10年満期)」ではなく、その銀行に預けるのも合理的です。

にゃこばん
にゃこばん

ここは時間も労力もかけなくて良いところ

利回りが高い銀行でも0.3%程度ですから、労力に見合わないですね

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コロナ・ショックのような大暴落のときにどうする?

投資を続けていると、2008年のリーマン・ショックや、2020年のコロナ・ショックのような大暴落は今後も起こります。

このような時にはどうしたらよいでしょうか。

これに対する答えは、本書の金言「上げ相場にも下げ相場にも、全て付き合う」です。

要するに「ほったらかし投資」です。

「マーケットに居続ける」以外に、株価の上昇を手にする方法がありません。

投資の一般的な原則は「長期・分散・低コスト」です。

世界に広く分散された、低コストなオルカンを長期保有し続ける、ただそれだけです。

にゃこばん
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暴落に耐えられなくなって、市場から退場した途端に損失が確定します

退場しないで済む金額で投資を続けるのがよいですね

(補足)2024年から始まる新NISAではどうする?

2024年から新NISA制度が開始されます。それにあたり、本書の内容をアップデートした折込付録が用意されたとのことです。

下のリンクからどなたでも無料で自由にご覧になれますのでご参照ください。

新NISAの賢い使い方(『ほったらかし投資術』折込付録) (asahi.com)

こちらは私にゃこばんの考えなのでご了知おきください。

結論、これまでお話しした内容と同じことをするのみです。

新NISAではどうする?
  • 初心者におすすめの投資信託は、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(この記事では、オルカンと呼びました)
  • 投資しないお金は、「1行1,000万円以内の普通預金」と「個人向け国債(変動金利型・10年満期)」で保有する
  • 暴落が起きても、「上げ相場にも下げ相場にも、全て付き合う」ので、そのままオルカンを保有し続ける

2024年から始まる新NISAの特徴は次のとおりです。

「ほったらかし投資術」の場合、下記の3点をまず抑えておくのが大事です。

新NISAの特徴
  • 旧制度と併用できる
  • 投資枠は1,800万円
  • 非課税期間は無期限

他にも「持っている投資商品を売却すると投資枠が復活する」等がありますが、長期投資による資産形成では、あまり使わないと思います。

旧制度と併用できる

2023年まで旧制度「つみたてNISA」を使った場合、先行者利益を獲得できます。

2024年以降、新規に40万円の積立投資をすることはできませんが、2023年までに投資した分は、非課税期間(投資してから20年)が保証されます。

にゃこばん
にゃこばん

2024年まで待ってから始めるよりも、お得な非課税期間が追加されるということですね

後述する「『新NISAの投資枠1,800万円』すら無理だよ」という方も多くいらっしゃるので、無理する必要はないと思います。

ただし、オルカンによる長期投資はいつでも始め時であり、どんな相場でも積立し続ける癖をつけるためにも、月1,000円など少額でも始めることには大いに意味があると考えます

投資枠は1,800万円

1,800万円の内訳は、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」です。

つみたて投資枠では、オルカンを含めたつみたてNISA対象のファンドを購入できます。

つみたて投資枠に制限はなく、1,800万円までフルに投資可能となっています。

一方、1,800万円のうち1,200万円までは成長投資枠として利用することもできます。

新NISAでは、年間投資上限額が以下のように決まっています。

新NISAの年間投資上限額
  • つみたて投資枠:120万円
  • 成長投資枠:240万円

→ 合計:年間360万円

成長投資枠では、様々な上場株式や投資信託が購入できます。

しかし、成長投資枠であえてファンドを変える必要はなく、つみたて投資枠と同じオルカンの購入でよいと考えます。

1,800万円という枠を最短5年で枠を使い切る方がいる一方、枠を使い切れない方の方が多いと思います。

しかし、後述するように非課税期間は無期限になので、焦らず自分のペースでいきましょう。

にゃこばん
にゃこばん

投資は他人との勝負ではなく、将来の生活を豊かにするためのものですね

非課税期間は無期限

2023年までの「つみたてNISA」は、非課税期間が20年でした。

しかし、新NISAは2024年以降いつから始めても非課税期間が無期限です。

にゃこばん
にゃこばん

非課税期間が無期限になったことは、今回の改正で1番嬉しいポイントです

なので、投資枠1,800万円は5年でも10年でも50年かけても埋めていけばよいと考えます。

このような特徴を踏まえて、新NISAが始まる前も始まった後も、自分のリスク許容度の範囲でオルカンに投資をし続けるのが1つの答えだと考えます。

まとめ

この記事のまとめです。

この記事のまとめ
  • 初心者におすすめの投資信託は、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(この記事では、オルカンと呼びました)
  • 投資しないお金は、「1行1000万円以内の普通預金」と「個人向け国債(変動金利型・10年満期)」で保有する
  • 暴落が起きても、「上げ相場にも下げ相場にも、全て付き合う」ので、そのままオルカンを保有し続ける
  • 2024年から始まる新NISAでも上記は同じ

リベラルアーツ大学の両学長の動画でも、本書が紹介されています。

両学長が本書を「すごい」と評価している点
  • 投資初心者に対して「これ1本」もっとも無難で長く付き合えるファンド「オルカン」を紹介
  • 著者の1人の水瀬ケンイチさんがインデックス投資で億り人になった実績があり、エアプではないこと
  • 「ほったらかし投資」をするにあたって、つまずきやすいポイントを本書で解決できる

インデックス投資を始めた人、今投資をしている人みんなに参考になる本だということが分かります。

にゃこばん
にゃこばん

投資信託の世界では、「オルカン」VS「S&P500」、全世界株式でも(日本含む)VS(日本除く)という激アツ(?)バトルが続いていますね

「どちらが良いの?」と迷える子羊さんにとって「オルカン」を提案していただいたのは有難いです

他にも、「ほったらかし投資で早期退職できるのか?」、「まとまったお金は一括投資した方が良い?」、「ほったらかし投資のベストな終わり方は?」といった投資の悩みにQ&A形式で本書は答えてくれています。

興味を持たれた方は、本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。

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