前作「お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたがが税金で損しない方法を教えてください!」に引き続きお金オンチ、めんどくさがり屋の杏樹先生は老後などお金に対する漠然とした不安を抱いていました。
「とりあえず貯金をする?」
そこに税理士の大河内薫先生が登場して、投資を始め、「お金の守り方」を教える、という形で、私たち読者も杏樹先生と一緒に成長する、という漫画です。

投資は博打だと思っているあなたは、是非読んでほしいです!
私も、そう思っていましたが。
「大河内薫先生って?」という方のためにYouTubeのリンクを貼っておきます。
分かりやすく、優しくお金のことを教えてくれるイケメン税理士です。
以下の悩みを持っている方は、本書で解決の糸口をつかめると思います。
- 自分の人生に必要な金額はいくら?
- 節税って誰でもできるの?
- 保険は何に入ればいいの?
- 金利とか利回りって何?
- 手持ちが少なくてもできる、初心者向けの投資はあるの?
- 証券口座ってどうやって開くの?
- NISAとiDeCo、何から始める?受け取り方はどうする?
この記事では、本書の中から特に衝撃を受けたことを3つ紹介します。
ここに書いてあることすら知らなかった、もっと知りたい!という場合は、本書を一度手に取ってみるとよいかもしれません。
貯金をするとお金が減る?

今は、100円で購入できたアイスが、30年後は同じアイスが200円出さないと買えない。
これは、30年間でアイスの値段が上がったということです。

値段が同じでも、ポテチの中身が減ったり、クッキーの大きさが小さくなったりしていますね。
見方を変えるとお金の価値が下がったともいえます。これをインフレといいます。
一方、普通預金の利息が0.001%の銀行に100万円を1年間預けても、もらえるお金は10円。
30年預けていてもほとんど増えません。

インフレしているのに、銀行の利息は低いまま。
つまり、30年間預金をすると、30年後に買えるものの量が今と比べて減っているということです。
これが、 「貯金をするとお金が減る」の本質です。
これに対して、次の疑問を持つ人もいると思います。

未来はインフレにはなるか分からないじゃん?
それに対する答えは次の通りです。

世界各国の多くの政府はインフレ率2%を目標としています。
このインフレ率の目標のことをインフレターゲットといいます。
政府や中央銀行(日本でいう日本銀行)が、緩やかなインフレの状態にして安定した経済成長ができるようにこの目標を立てます。
つまり、「貯金だけ」しかないのはむしろリスクということです。
ただし、6か月から1年分の生活資金など、すぐ使う予定のあるお金は、すぐに引き出しができる状態にする必要があります。
そのため、貯金も必要です。

全財産を投資に突っ込むのは、お勧めしません。
「貯金だけ」だとリスクがあるということです。
「貯金だけの人」と、「お金について学んで、貯金の他に投資信託なども持っている人」。
インフレが進む可能性が高いこの世界では、この2人の30年後の格差は大きなものになります。
「72の法則」とは?

「72の法則」とは、複利で長期運用したとき、運用したお金が何年で2倍になるかがざっくり分かる公式です。
72 ÷ 「利率の数字」 ≒ 「お金が2倍になるまでにかかる年数」
金利が6%の場合(後で紹介する指数に連動する投資信託を15年から20年以上保有した場合の平均的な利回りは、3から7%といわれています。)
72 ÷ 6 = 12(約12年で2倍になる)
つまり100万円を金利6%の複利で運用した場合、約12年後に200万円になるということです。

意外と早く2倍になった!雪だるま式にお金が増える!
それでは、普通預金でその金利が0.001%の場合
72 ÷ 0.001 = 72000(約72000年で2倍になる )
つまり100万円を金利0.001%の複利で運用した場合、約7万2000年後に200万円になるということです。
果たして人類はまだ存在しているのでしょうか。

複利の効果を実感するには、「投資」が必須になるということですね。
100万円を年間利回り6%で運用すると、1年間で100万円×6%=6万円利息が出ます。
・この利息の6万円を引き出して、2年目も100万円で運用することを単利といいます。
・一方で複利は、2年目は、利息6万円を引き出さず100万円と合わせて106万円で運用します。
これだけのことで、上記のような力を発揮するのだから、複利の力は侮れません!
「これからも世界は良くなる!」と思うなら、お金を投資することが「お金を守る」ことにつながる

過去のデータを見る限り、次の2つの指数は、15年から20年以上の長期間であれば、右肩上がりです。
- S&P500(アメリカの主要500社)などアメリカ全体に投資するイメージの指数
- 全世界の株価に連動するイメージの指数(中身はアメリカが約60%を占める)
S&P500に連動する投資信託の1例のリンクをこちらに貼っておきます(楽天証券)。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 投資信託 | 楽天証券 (rakuten-sec.co.jp)
全世界の株価に連動する投資信託のリンクをこちらに貼っておきます(楽天証券)。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 投資信託 | 楽天証券 (rakuten-sec.co.jp)
もちろん2008年のリーマン・ショックや2020年のコロナショックなどで暴落が起きることはありました。
その度に下がった分以上に成長してきたのが世界でした。
スマートフォンなど、30年前は存在していなかったし、発売当時は普及すると思われませんでした。
しかし、今では生活に必要なものになっています。

誕生以来、世代を繋いで、人類は文明を拓き、発明を続けてきました。
これからはどうなるのでしょうか?
「これからも、長期的には人類は成長する」
そう考える人が投資信託を購入している、ということです。
もちろん未来のことは、常に誰にも分かりません。
しかし、長期的な成長に期待する場合、15年から20年以上投資信託を持ち続けることで、リスクを減らすことが期待できます。
老後に備えて貯金をする感覚で、老後に備えて投資信託を購入する。
貯金と同じく、投資信託も購入した後は、ほったらかしです。
本書の中では、これを「貯株」と表現していました。

私は、人類の成長に賭けたいと思います。
それに自分の成長にも。
まとめ
この記事のまとめです。
- インフレの影響で、30年間預金をすると、30年後に買えるものの量が今と比べて減る可能性が高いです。
- 72 ÷ 「利率の数字」 ≒ 「お金が2倍になるまでにかかる年数」
- 長期的な成長に期待する場合、15年から20年以上投資信託を持ち続けることで、リスクを減らすことが期待できます。
ここまで言われると、投資をしない理由を探すのが難しくなりますね。
その他、高額療養費制度、投資詐欺から身を守る方法、身近な借金リスクなど、義務教育では習わないけど、生活していく上で、必須の知識が本書には書かれています。
投資に興味がない場合でも、お金を守る知識は、身に着けておいて損はありません。
というより、知らなかったばかりに損をしたり、まして騙されたりするのは、誰もが避けたいと考えているはずです。
義務教育で教えられないことは、自ら学んで手に入れましょう。

お財布に手を突っ込んでくる詐欺師から、お金を守るにはどうする?
お金を守る知識は今を生きるのに必須です。
この記事を読んでくださったみなさんに幸あれです!
大河内薫先生の前作 「お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたがが税金で損しない方法を教えてください!」 については、こちらで紹介しています。
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