楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で勘違いだらけの「長期投資」という山崎元さんの書かれた記事が勉強になったので紹介します。
「長期投資なら安全」と勘違いしていると、後で「こんなはずじゃなかった~」となります。
自分の資産をリスクにさらす以上、長期投資を正しく知ることが、市場で生き残ることにつながります。

私も勘違いしていました~。
一緒に勉強していきましょう!
「20年」の長期投資でマイナスにならないとは言えない?
長期投資の有効性でマイナスにならない理由としては、こちらの根拠があると思います。
たとえば、「20年」の長期投資の安全性・有利性を示すのに、過去60年のデータを持って来て、「60年の中には20年が41回あるが、41回の投資期間のうちにマイナスになったものは一つもない。
引用元:勘違いだらけの「長期投資」
これに対して、山崎さんは以下のように書かれています。
実際には、60年の中には独立している「20年」は3つしか含まれておらず(その他のデータはお互いに重なりを持っている)、たとえると「この地は3日間晴れていた。どの24時間を取っても晴れであった。データにより、明日も一日中晴であることが確実だ」という程度のことを言っているに過ぎない。
引用元:勘違いだらけの「長期投資」

過去は未来を保証しない。
その上、たった3つのデータから何かを予想するのは無理があるということ!
長期投資で、リスクは縮小しない?
また、元本割れすることがない根拠として、下図に示すようにリターンの安定化が挙げられます。

株式などに投資をすると、短期的にはリターンが大きなプラスやマイナスになることがありますが、長期で資産運用を続けていると「1年あたりのリターン」が安定してくるというものです。

上図では年数が長くなるほど振れ幅(リスク)が小さくなっているので、
長期投資をしていれば、リスクは小さくなると思っていました。。
結局、短い期間(上図では1988年~2016年の28年間)の結果では、投資期間とリターンを予想することは難しいということです。
山崎さんは、投資期間とリスクについて以下のように書かれています。
「投資期間が長期化すると、リスクは拡大する」が正しい認識だ。そして、この場合、リスクは運用資産の価値の不確実性(例えば、上下のブレ幅)で捉えることが正しい。ただし、資産価値の期待値(予想される平均)は投資の長期化で増加して行く。投資が長期化するとリスクが拡大するとしても、期待される収益も拡大する。
引用元:勘違いだらけの「長期投資」
掲載されていた図がとても分かりやすかったので引用します。

投資期間が長くなるにつれて、上ブレと下ブレの幅が大きくなる(リスクが大きくなる)ことが分かります。

これぞ酔っ払いが歩いた(ランダムウォーク)結果という感じですね
長期投資をする意味とは?
これまでの内容で、長期投資について、次のことが分かりました。
- 「20年」の長期投資でマイナスにならないとは言えない
- 投資期間が長期化すると、リスクは拡大する
それでは長期投資をする意味がないか、というとそうではないのですね。
長期投資は有利でも不利でもない。短期投資が有利だとするのなら、その有利さを長期に積み重ねているのが長期投資だ。現実には、長期投資は短期投資に対して、売買コストの節約や課税を繰り延べした複利運用などの点で優位性を持つことが多い。
引用元:勘違いだらけの「長期投資」
最近は売買に手数料のかからない投資信託も多いので、売買コストはかからないことも多いと思います。
しかし、投資信託を売った場合には、NISAなどの非課税口座で運用していない限り、その利益に対して約20%の税金がかかります。
例えば、元本100万円を1年間運用して10万円の利益が出た状態で売却した場合、手元には元本100万円と約8万円の利益が残り、約2万円は税金で取られます。

売らない場合、元本100万円+利益の10万円も含めて110万円として複利運用されるので、もっと資産を増やすことが期待できる!
まとめ
今回は、楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で勘違いだらけの「長期投資」という山崎元さんの書かれた記事を紹介しました。
今回紹介した内容をまとめると次のとおりです。
- 「20年」の長期投資でマイナスにならないとは言えない。
- 投資期間が長期化すると、リスクは拡大する。
- 長期投資は短期投資に対して、売買コストの節約や課税を繰り延べした複利運用などの点で優位性を持つことが多い。

必ず儲かるということはないから、リスク許容度を守ることが大事!
複利の力で資産が増えていることには「期待」ですね
元記事では以下のテーマについて解説をされているので、興味を持たれた方は、是非ご覧ください。


金融庁も言っていない(言えない?)「長期でダメな商品は、短期でもダメ!」とはっきり言い切るのはさすがだな~、と思いました。
最後まで読んでくださり、有難うございました!
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